3月 162013
 

安倍内閣で官房長官を務めた著者が生涯を省察しながら,国の将来
に深い想いをこめた本.

現在の政治の停滞,綻び始めた国家運営に対し,率直な語り口で政
治家に必要な判断や言動について堂々と語っている.

私は特に政治家はどう役人をコントロールすべきか,その役割につ
いて興味深く読んだ.一つのエピソードとして梶山氏との絶妙な連
携プレーの話が出てくる.著者が政策立案をして,各省庁の反対に
あう.それで役人を梶山氏のもとにつれていくと何とかなるという
ことの連続だったそうだ.

後半に,著者はこのようなことを書いている.
「役人は少し褒め,少しおだてて方向性を与え,あとは政治家が責
任を取る.そうすれば役人はいくらでも知恵を出すし,いくらでも
働く.」

そのとうりで,今の民主党の「政治主導」は,何から何まで政治家
が決める,また細かい事にまで口を出すということが行なわれ
ている.特に管内閣ではそのため「官邸対官僚」といった対立構造
になってしまい,官僚との信頼関係が壊れていた.

今,大きな方向性を示せない政治家が増えているのは確かであろ
う.

この本を読んで初めて知ったことであるが,日本は先進国中で一番
役人の少ない国だそうだ.人口1000人あたりでは,日本は42.2人.
政府が使っている予算も,一人当たりで計算すると,先進国中で最
も少ない.財政の無駄についての議論で出てくる役人が多す
ぎる,無駄を省けばなんとかなるというのは乱暴な議論であろう.

他に,小泉改革への批判や増税についての議論もあるので興味があ
る方は読んでみられるといいでしょう.

 Posted by at 7:05 PM

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