3月 162013
 

理系の知と文系の知を横断する情報学の構築をめざす著者
が,まったく新しい心の見方を提示する刺激的な本.

「ヒトの心」を論じるために,「機械で心はつくれるのか」と「動
物に心はあるのか」という二つの問題を設定している.それらの問
題を論じるなかで,人工知能工学,オートポイエーシス理論,動物
行動学,アフォーダンス理論,現象学,社会学,言語学,記号学な
どを論じている.非常に話題が多岐にわたっている.そのため,内
容を要約しづらい.

興味深かったのが,人工知能研究者のウィノグラードがテクスト解
釈について哲学的議論に言及している点.西洋には,「解釈学」と
いう伝統があり,それは神話などのテクストをいかに解釈し,いか
なる意味を見いだすかという学問である.彼は,解釈者とテクストと
の相互作用によって<意味>が立ちあらわれるという立場に共感して
いる.これは,哲学者ガダマーの立場である.

このように,理系の知と文系の知を繋げる形で文章も書かれてお
り,人によってはとまどったり読みづらく感じるかもしれない.
逆に参考文献欄が充実しているのでこの本を起点にして,それらの本を
読んでみるのもいいであろう.

 Posted by at 6:44 PM

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