2月 192013
 

コミュニケーションと社会脳の神経機構の解明に取り組んでいる著
者が自らの専門である社会脳について書いた入門書です.

著者はソーシャルブレインズを以下のように定義しています.

ソーシャルブレインズという言葉は,たくさんの脳が集まって社会
を作っている,そういうときに必要とされる脳機能を表す言葉なの
です.(p.14)

つまり,「自己と他者の脳が作る社会を前提として,その社会に組
込まれた状態の脳のしくみをとらえる」という考え方です.(p.16)

本書は,まず脳の機能を説明しそれがどのようにして拡張してきた
か説明しています.よく例として出てくる脳番地,モジュール仮説の話がて
いねいに説明されています.

つぎに,脳と脳がどのように社会的階層性ネットワークにつながっ
ていくかが述べられています.「認知コスト」という概念はこの本で
初めて知りました.

僕の考えている世界とあなたの考えている世界は違うということを
脳科学の先端分野が研究していることを知り,大変知的興奮を覚え
ました.

4章でソーシャルブレインズの研究方法が,5章で脳科学が
人の幸せやリスペクトまで研究対象になっていることが述べられて
います.最後にソーシャルブレインズという機能を前提として,社会
と人がどのようにあるべきかまで述べられています.

最後まで筆者の未開の脳研究分野の面白さを伝えようとする熱意が
伝わってくる好著です.

 Posted by at 4:15 AM

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